退職という決断

 時々、夢をみる。仕事を辞めたはずなのに、働いている夢。嫌いな先輩の夢。悪い夢。疲れる夢。
 あの仕事はやりがいはあったけど充実感はなかった。イライラして、何か気を紛らわすことをしても、何ひとつ解消されなかったなぁ。とにかく私の中身は空っぽだった。気晴らしに物欲を満たしても、心は満たされなかった。あのときの自分を客観視してみれば、出口のない迷路を彷徨っていたのかもしれない。
 「辞めるのは簡単だ。」とよく言うけれど、立場を振り返ってみたり将来のことを考えると、続けることより辞めることのほうが何十倍も難しい。どんな理由であれ「退職」というのは人生のなかで幾度とない大きな決断なのだ。周囲の人だっていい顔しないし、周りに迷惑かけるかもしれないということも当然わかっている。それを承知した上での決断なのだ。でも、もう限界だって思ったら、辞めるのもアリだと思う。